訪問日:2025.12.6
所在地:東京・丸の内(大丸東京 10F)
📍 アクセス
水草レイアウトの世界で知らない人はいない、と言われるブランド「ADA(Aqua Design Amano)」。通販禁止・自社店舗を持たない・厳選されたショップにしか卸さない、という徹底したブランドポリシーで知られるADAが、大丸東京10階に直営ラボショップを構えています。その名も ADA LAB TOKYO。アクアリウム・パルダリウムファンにとってまさに”聖地”と呼ぶにふさわしい場所で、実際に足を運んでみて、その言葉の意味をひしひしと感じました。
ADAとは?――知る人ぞ知るブランドの直営ラボ
ADA(Aqua Design Amano)は、写真家でもあった故・天野尚氏が創業した新潟発のアクアリウムブランドです。水草レイアウトをアートの領域まで昇華させ、世界中に熱狂的なファンを持ちます。ADAが特異なのは、その流通スタイルにあります。Amazonなどの通販プラットフォームへの出品を禁止し、正規取扱店として認定されたショップにしか製品を卸しません。長年にわたって直営の実店舗も持たないという方針を貫いてきたため、ADA製品を実際に手に取れる場所は国内でも非常に限られていました。
そのADAが、東京・丸の内という日本屈指のロケーションに構えた直営ラボショップがADA LAB TOKYOです。「ラボ」という名称が示す通り、ただ製品を販売するだけでなく、ADAの世界観・思想・審美眼を体験できる空間として設計されています。ガラス什器の質感、照明の光の落とし方、展示の構成――すべてに明確な意図とこだわりが感じられ、一歩足を踏み入れると、植物と水という自然の要素がこれほどまでに洗練された形で表現できるのかと驚かされます。プレストアとして複数の店舗を経てきた経緯があり、現在の大丸東京での展開がいつまで続くかは分かりません。行けるときに行っておくべき場所、と強くそう思いました。

水槽展示――ADAの哲学と美学が凝縮された空間
ADA LAB TOKYOの核心ともいえるのが、店内に設置された水槽・アクアテラリウムの展示です。ADAが長年追求してきた「ネイチャーアクアリウム」の世界観――自然の景観を水槽という小さな額縁の中に再現する哲学――が、実際に稼働する展示として目の前に広がります。水草が光を受けてわずかに揺れる様子、底床の素材の粒感と色、ガラス越しに見える奥行き。写真や動画では伝わりにくい、その場に立ってはじめて感じられるリアリティがあります。

ADAのネイチャーアクアリウムにおいて、光・CO₂添加・底床・水草の選択と配置はすべて一貫した美学のもとで設計されます。照明はADA製の高品質なLEDシステムが使用されており、水草の光合成を最大限に引き出しながら、同時に鑑賞者の目に最も美しく見える光の質・角度・強度が緻密に計算されています。水槽のガラスも一般的なアクアリウム用品とは異なる透明度と厚みで、フレームレスの設計が景観への没入感をさらに高めています。こうした細部の積み重ねが、ADAの水槽展示をただの「魚を飼う水槽」とはまったく異なるものにしています。

観葉植物を愛する方にも、ぜひこの水槽展示を体験してほしいと感じます。水草レイアウトは、植物の色・葉形・草丈・成長速度を組み合わせて立体的な景観を作り上げるという点で、観葉植物のディスプレイや庭づくりと本質的に通じるものがあります。ADAの展示を見て「水草って芸術だったんだ」と思い直したのが正直な感想で、植物好きであれば間違いなく刺さる世界観がここにあります。

パルダリウム展示――陸と水が交わる新しい植物アート
近年ADAが特に力を入れているのが「パルダリウム」です。パルダリウムとは、陸生植物と水中植物を組み合わせたテラリウムの一形態で、熱帯雨林の林床や渓流沿いの湿潤な環境を再現するスタイルを指します。苔・羊歯類(シダ)・アロイド系の小型植物・水草などが一体となった空間は、アクアリウムともテラリウムとも異なる独特の生態系を構成しており、実際に目にするとその複雑さと美しさに圧倒されます。

ADA LAB TOKYOでは、ADAのスタッフが制作したパルダリウム作品が実際に店内で展示されています。苔と羊歯類が緑の層を作り、湿度の高い環境を好む植物たちがイキイキと生育している様子は、まるで小さな熱帯の森が切り取られて目の前に置かれているようでした。大型のアクアテラリウム――水生植物と陸生植物を組み合わせた立体的な展示――も設置されており、水が流れ落ちる音まで含めた五感への働きかけは、有料の植物展示施設に匹敵するレベルです。それが無料で見られるというのは、正直かなり驚きでした。

パルダリウムは観葉植物ファンとの親和性が非常に高い分野でもあります。モンステラ・アロカシア・フィカスなどを好む方が次のステップとして手を伸ばしやすく、かつ土やプラスチックポットに縛られない新しい植物の飾り方として注目が高まっています。ADA LAB TOKYOでそのリファレンスとなる作品を実際に見られるのは、植物好きにとって大きな価値があります。
テラリウム・小型植物の販売展示――眺めるだけでも楽しいラインナップ
水槽・パルダリウムの展示エリアに加え、ADA LAB TOKYOでは小型テラリウムや植物苗の販売も行っています。ガラスケースの中に並ぶテラリウムは、苔とミニ植物を組み合わせた完成品もあれば、素材・レイアウト素材・ガラス容器がセットで購入できる形式のものもあり、「家に帰って自分でも作ってみたい」という気持ちを自然と呼び起こしてくれます。

LED照明付きのガラス製テラリウムは、苔と小型植物が共生する小さな生態系を内部に持ち、照明の光が緑を美しく際立たせていました。多肉植物やサボテン系の小さな苗、ドラセナなど複数の種類の小型苗が育成トレイに並べられたコーナーもあり、手軽に持ち帰れるサイズ感の植物も取り揃えられています。


ガラス容器に入った小型テラリウムの販売展示コーナーでは、完成品がいくつも並んでおり、インテリアとして空間に置いたときのイメージを具体的に掴みやすい見せ方になっていました。観葉植物の鉢植えと並べて展示されているコーナーもあり、テラリウムと観葉植物を組み合わせたスタイリングの提案も感じられます。訪問時点での価格帯は製品・サイズによって幅がありますが、ADA製品ならではのクオリティを考えると、納得感のある設定でした。


店舗の雰囲気と立地――丸の内観光との相性も抜群
ADA LAB TOKYOが入る大丸東京は、東京駅の目の前に位置する百貨店です。10階フロアまで上がると、ADAの世界観を体現したシックで洗練されたショップ空間が広がっています。ガラスケースを多用した店内は清潔感があり、照明の当て方も含めてギャラリーのような雰囲気で、百貨店の一角にいることを一瞬忘れるほどの没入感がありました。


大きな魅力の一つが、ADAの専門スタッフが常駐していることです。アクアリウムやパルダリウムに興味があっても「何から始めればいいか分からない」「維持管理が難しそう」「どの製品を選べばいいか迷っている」という方も、直接スタッフに相談できます(無料)。専門知識を持ったプロにその場で質問できる機会はなかなかなく、これは大きな価値です。


立地の利便性も特筆に値します。東京駅徒歩0分という好アクセスで、銀座・日本橋・有楽町も徒歩圏内。周辺にはレストランやカフェも無数にあり、ADA LAB TOKYO訪問を軸に丸一日の東京観光を組み立てることも十分に可能です。遠方からアクアリウムファンが足を運んでも、周辺観光と合わせれば充実した一日になるはずです。
まとめ――アクアリウムファンはもちろん、植物好き全員に届けたい場所
ADA LAB TOKYOは、アクアリウムやパルダリウムに興味がある方にとって間違いなく一度は訪れるべきショップです。ADAというブランドの本気が空間全体から伝わってきて、水草・水中植物・苔・シダ類がこれほどまでに芸術的に表現できるということを、頭ではなく五感で理解させてくれる場所でした。
注意しておきたいのは、過去に複数の形態でプレストアを展開してきたADAが、現在は大丸東京10Fに落ち着いているものの、将来的に形が変わる可能性がゼロではないという点です。「いつでも行ける」と思っているうちに機会を逃してしまうかもしれない。そういう場所です。アクアリウムファンはもちろん、観葉植物・テラリウム・コケリウムが好きな方、「植物を飾ること」に美意識を持って取り組んでいる方にも、ぜひ足を運んでほしいと思います。東京駅からすぐ、入場無料、スタッフへの相談無料。これだけ条件が揃っていて行かない理由はありません。
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