訪問日:2023.5.21
所在地:東京都世田谷区野沢3-29-10
📍 アクセス

きっかけは、植物イベントで出会ったお店でした
このお店を知ったのは、池袋サンシャインで開催されたボタニカルフェアでした。
当時の私はブロメリアにすっかり夢中で、会場をあちこち見て回っては、気に入った株を連れて帰っていました。そのなかで実際に株を買わせてもらった出展ブースのひとつが、この山手苑さんだったのです。イベントの限られたスペースに並んだ株を見ただけでも、扱っている植物のセンスの良さが伝わってきて、強く印象に残りました。
あの一鉢はどんなお店から来たのだろうと、ずっと気になっていたのです。

あとから「世田谷に実店舗がある」と知り、これは行くしかないと足を運びました。場所は世田谷区野沢の住宅街のなか。
表通りからは想像できないほど奥に広く、足を踏み入れた瞬間に緑の密度がぐっと上がります。植物が好きな人ほど「自分の好きな世界がここに詰まっている」と感じる、そんな空気の流れているお店でした。
イベントで一目惚れした株の“実家”を訪ねるような気持ちで、最初の一歩からわくわくしていたのを覚えています。お店の方の植物への愛情が、並べ方の一つひとつからにじみ出ているようで、ここなら間違いないという安心感がありました。
1階は生花と観葉植物が出迎えてくれる

1階には生花や、鉢に植わった観葉植物が並んでいます。
入ってすぐの台には大小さまざまな鉢がぎゅっと集められていて、葉の形も色もばらばら。眺めているだけで時間が過ぎていきます。見慣れた定番の観葉植物から、葉色の濃いものや斑の入ったものまで幅広く置かれていて、ここだけでも十分に楽しめる品揃えでした。
一鉢ずつの状態が良く、葉のつやや張りからも、しっかり面倒を見られているのが感じ取れます。
天井から吊るされたハンギングの鉢、足元にずらりと並ぶポット、棚の上で日を浴びる大きめの株と、視線をどこに向けても何かしらの植物が目に入ってきます。
緑のトンネルのなかを歩いているような感覚で、奥へ進むほど次の棚が気になってしまう。「2階が本番」と聞いてはいたものの、この時点ですでに、丁寧に手をかけられている植物の気配が伝わってきて、期待がどんどん高まっていきました。生花も置かれているので、植物の鉢を選ぶついでに、季節の切り花を一輪持ち帰るような楽しみ方もできそうです。
棚と棚のあいだを歩いていると、手書きのラベルや鉢の並べ方の一つひとつから、お店の方が植物に向き合ってきた時間が伝わってきます。
ただ商品を陳列した場所ではなく、育てる人の目線で丁寧に整えられた空間だと感じました。どこに何があるのかを自然と覚えてしまうほど、また足を運びたくなる居心地の良さがあります。
気になる株があれば、その育て方をお店の方に尋ねてみたくなる、そんな距離の近さも魅力でした。植物そのものだけでなく、それを選ぶ時間まで楽しませてくれるお店だと思います。
主役は、圧倒される2階の大温室

このお店の本領は、2階の温室にあります。
階段をのぼって扉を開けると、視界いっぱいに植物が広がり、思わず足が止まりました。ビニールごしにやわらかい光が差し込む空間で、株たちが本気で育っているのが伝わってきます。湿度と緑の匂いに包まれて、別世界に迷い込んだような気持ちになりました。外の住宅街の景色とのギャップに、ますます引き込まれてしまいます。

棚という棚に鉢が並び、足の踏み場を探しながら奥へ進むほど、めずらしい姿の植物が次々に現れます。一鉢一鉢のコンディションが良く、葉先まで気を配って手入れされているのが見て取れました。ただ数を置いているだけの空間ではなく、それぞれの植物がのびのびと育つために整えられた温室です。
どこを見ても発見があり、写真を撮る手が止まりません。植物への向き合い方そのものが伝わってくる場所で、ここまで真摯に植物と付き合っているお店はそう多くないと感じました。気づけば、時間を忘れて棚の間を行ったり来たりしていました。
都内随一と言いたくなるブロメリアコレクション

そして何より圧巻だったのが、ブロメリアの品揃えです。虎のような横縞の入った葉、点々と斑点の散った葉、銀色がかった硬い葉、赤や紫に色づくものまで、本当にすごい種類がそろっていました。
同じ「ブロメリア」と一括りにするのがもったいないほど、姿かたちのバリエーションが豊かです。光の当たり方で表情を変える葉を眺めていると、ひとつのジャンルの奥深さに改めて引き込まれます。集めていた頃の私なら、何時間でもここにいられたと思います。

ブロメリアを集めていた私の目から見ても、都内でここまで幅広く扱っているお店は、知る限り他にありません。私のなかでは間違いなく一番のお店です。模様の出方一つとっても株ごとに個性があり、似た品種を見比べながらお気に入りの一鉢を探す時間がたまりませんでした。
コレクター心をくすぐる珍しい株から、初めての一鉢にちょうどよさそうな手頃なものまで、幅の広さも魅力です。お気に入りを見つけたときの高揚感は、実店舗ならではのものでした。

さらにブロメリアだけにとどまらず、ビカクシダなど、植物好きの心をくすぐる種類も扱っていました。好きなジャンルが一か所に集まっているお店というのは、それだけで通いたくなるものです。次に来るときは何に出会えるだろうと、帰り道からもう楽しみになっていました。
株ごとに葉の模様や色の出方が少しずつ違うので、似たものを並べて見比べながら、自分の好みに合う一鉢を探す時間そのものが楽しいのです。
写真では伝わりにくい葉の質感や厚みも、実際に近くで見ると一鉢ずつ表情が違います。眺めているうちに、家のどこに置こうか、どんなふうに育てていこうかと、連れて帰ったあとの暮らしまで想像がふくらんでいきました。
手をかけて育てられた株だからこそ、迎えたあとも応えてくれそうだという安心感があります。実店舗でじっくり選ぶ醍醐味を、改めて思い出させてくれるお店でした。
まとめ
イベントで出会い、店舗を訪ねて、すっかりファンになってしまった山手苑さん。
1階の生花や観葉植物から、2階の大温室に広がる圧巻のブロメリアまで、植物が好きな人なら時間を忘れて見入ってしまうお店です。手入れの行き届いた株を眺めているだけで、また自分でも育ててみたくなります。世田谷で植物に出会いたくなったら、ぜひまた足を運びたい一軒です。
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